無垢板の色と風合いをいかした、縁側のある海風の心地よい家

<海辺にほど近い、木の家に住まう>

 三浦半島の東に位置し、夏には海水浴客で賑わう三浦海岸海水浴場。海岸に面した国道215号線を越えると、海辺の町らしい石造りの塀が連なる、昔ながらのリゾート地のような住宅地が広がっている。そんな閑静な住宅街の一角に立つN邸。 会社員のご主人と専業主婦の奥様、一歳のお嬢さんの三人暮らしの家は、2012年春に竣工したばかりの木造二階建て住宅。この家を建てるまでアパート住まいをしていたご夫妻。木の家で暮らしたいご主人と、葉山で生まれ育ったという奥様。自分たちの家を建てるなら、木の家で、海のそばに暮らしたい。そんなマイホームを夢に描いていたご夫妻が、木の家づくりを得意とする斎藤工務店と出会い、モデルハウスをみて、安心安全な無垢の木をふんだんに使いながら無理のない価格帯と、地域密着型の姿勢に共感し、自分たちだけの家づくりが始まった。

<敷地との出会いが、理想の家づくりのスタートに>

 土地選びは、三浦半島を拠点に家づくりをする、斎藤工務店ならではの地の利をいかし、ご夫妻の理想とする海に近い最適な土地を確保。家づくりのプロセスでも、まだ小さなお子さんのための、健康にも安心な木材選びのアドバイスから、建具や家具の角を面取りする、大工さんの丁寧な手仕事ぶりに触れ感心したという。

 

 木の家の空間を特徴づける木材の色の仕上げには、身体に優しい天然オイルワックスを用いた、郷の家仕様のウッドライフ仕上げを施した。一階は落ち着いた時を演出するアジアンリゾートを思わせるこげ茶色、二階は開放感のある間取りに合わせたナチュラルにと、生活のシーンに合わせ木の色と風合いにもこだわった。収納はほぼすべてを大工さんが手づくりで造作。この家の雰囲気に調和した無垢材の造り付けの家具を採用することで、空間の隅々まで落ち着いた一体感をもたらすことに成功している。

<街の風景を豊かにする、自然に近いところにある家>

 会話を楽しみながら料理もできるキッチンは、奥様の一番のお気に入りの場所。キッチンからよく見える、家族が集まるリビング兼ダイニングにおかれた、この家の雰囲気に馴染んだ椅子とベンチのダイニングセットは、新しい暮らしがはじまったばかりのこの家のために設えた、家族が集まる中心的な舞台だ。引っ越して僅かの時間ながら、理想の住まいがそこに暮らす人の感性を育てる、人と家とのよい関係が早くも育まれていることを感じさせる。食卓や夫婦の日々の語らいの場となる一階リビング兼ダイニングの一部天井を、開放感のある吹き抜けとし、二階天井部にはシーリングファンを設置した。ゆったりとした時を刻むファンの効果と、上質な無垢の木の設えが、非日常的なリゾートのような落ち着きと高揚感、日常の安らぎの空間を演出している。

 

 一階の窓辺にある縁側は、この家でこれから始まる物語を予感させる象徴的な設えだ。室内と外をゆるやかに繋げるご主人こだわりの縁側の足もとには、ちいさな庭もあり、これから緑を植えたり、ミニ菜園とする計画もある。海からの風を肌に感じながらのんびりと過ごす、家族でくつろげる心地よい居場所となった。そんな家づくりのディテールに、建主の暮らしへのこだわりや夢がたくさんつまっている。

 

 休日には二人の共通の趣味である焼き物でコーヒーや、奥様の趣味である楽器を愉しむ。都会暮らしでは夢のような、家族で美しい砂浜のある海岸への散歩で、心身ともにリラックスする贅沢も日常のものとなった。子供の成長と共に家も成長し、かけがえのない家族の歴史を共に刻む。家族の未来をみすえた木の家づくりが、そこで暮らす人と街の風景を豊かにする。家族の絆を深め、自然と近いところにある、人と風景が共生する家である。